2009年05月29日
♪ 家をつくるなら...LDK編
今日は、前回coffee break 2 にて、予告しておりました
『LDK』について考えてみようと思います。
まずは、言葉の意味のおさらいです。
みなさんも、ご存知の通り
L : リビング・居間
D : ダイニング・食事室
K : キッチン・台所
です。
そして、よく耳にする『ダイニングキッチン』や
『nDK』・『nLDK』という言葉は
日本で生まれた和製英語です。
(n は、寝室や子供室の“個室の数”で数字が入ります。
3LDKでしたら、LDK+3つの部屋がある間取りですね。)
そして、具体的な話に入る前に、
LDKの簡単な歴史をお話しておきましょう。
従前の日本の住宅は、台所は土間で
茶の間のちゃぶ台で食事をし、
夜寝る時は、ちゃぶ台を片付けて、そこに布団を敷く...
といった生活が一般的でした。
1947年に、京都大学の西山卯三氏が『これからのすまい』
という著書の中で、『食寝分離』ということを提唱しました。
『食寝分離』とは、読んで字のごとく
「食事をするところ」と「寝るところ」を分けるということです。
その後、この『食寝分離』の考え方が
1955年に設立された日本住宅公団に引き継がれ
今日の『nDKプラン』が生まれました。
(このへんの詳しい話は、また別の機会にでも...)
こういった、歴史的な背景などもふまえて
これから、『LDK』について考えてみましょう。
まず、部屋のタイプとしては、一般的に
・LDK (リビング・ダイニング・キッチンが1室空間にある)
・K + LD (キッチンが独立した1室でリビングとダイニングがいっしょ)
・DK + L (リビングが独立した1室でキッチンとダイニングがいっしょ)
・K + D + L (各々が独立した部屋となっている)
といった、組合せ・タイプが考えられます。
リビングもダイニングもキッチンもいっしょの空間にある、
LDKタイプは、いわゆる対面キッチンとすることができ
料理をしながら、子供たちと会話をしたり、
小さいお子さんが危なくないように目を行き渡せることができ
主婦のみなさんが、料理や後片付けをする際、
孤独を感じるようなこともない...そういった空間とすることができます。
その反面、いつもキッチンをきれいにしておかないと
匂いの問題や汚れたものが見えて
リビングなどでくつろぐにしても何かしら落ち着かない、
或いは、急なお客様をここに通したりしにくいような
ことがあるでしょう。
他にも、生ゴミなどの処理方法も検討が必要です。
(ゴミ箱をどこに置くかなど...)
対面キッチンにおいては、
コンロ部分の前は、油煙や油はねの問題等があるので
完全にオープンにするより、その部分は壁があるほうがよいでしょう。
通常よく見かける上にあるレンジフードではなく
鍋やフライパンの手元で吸い込むタイプの換気扇もありますが
やはり、壁やそれに代わるものがあるほうがよいと思います。
完全にオープンなキッチンは
掃除をこまめにやるような方向きかもしれません。
写真は、コンロ部分の前を壁とした 対面キッチンです。
たまには、後片付けはあとまわしで
くつろいでから、やります...といった向きには、
LDKとしても、
完全にオープンとしたキッチンではなく、
必要に応じて、キッチンを仕切ることができるような
セミ・クローズドのタイプを検討してみるとよいでしょう。
セミ・クローズドはちょうど『LDK』と 『K + LD 』の中間のようなものです。
セミ・クローズドの一例。
必要に応じて扉を引けば、キッチンを隠せます。
(対面キッチンでも、セミ・クローズドは可能です。)
一人でじっくりと料理を作りたい方や
家事室といっしょにしたキッチンのような主婦の専用の部屋をお好みの方、
さらに、セミ・クローズドより もっと独立性を持たせたい場合などは
キッチンを1室独立とした K + LD タイプがよいでしょう。
これだと、リビングで嫌な匂いがする なんてことはなくなりますし
いつ、後片付けしようと気兼ねすることもないです。
家事いっさい、あるいはデスクでネットを楽しんだり
趣味を行う“主婦の部屋”とすることもできるかもしれません。
独立型キッチンの例。
アイロンかけ・ミシンで裁縫、PCでネットなどができる
家事デスクを設けています。
写真には写っていませんが、右側の家事デスクの前は
外が見える窓になっています。
つづいて、リビングを独立させた DK + L タイプは
例えば、リビングをホームシアターにするなど
食事をする行為と、リビングで行う行為を
完全にわけたい場合などに向くと思います。
(もちろん、ホームシアターをリビングとは別室に設ければよいのですが
面積的にもコスト的にも、そんなことできない場合もあります。)
ただ、家族の食事の時間帯が違う場合などは
顔をあわせて、話などしながら食事をするようなことができず
ひとりさみしく飯を食う...なんてことになるかもしれません。
そして、リビングもダイニングもキッチンも別々の K + D + L タイプ。
日本では、あまり一般的ではないと思いますが、
いわゆる『大邸宅』のようなイメージ、
例えば、お手伝いさんを雇って料理を作ってもらうような向きでしょうか。
私はまだ、このK + D + L それぞれの部屋が独立したプランを
依頼されたことがありません。
また、こういったタイプにとらわれない、
自由な発想の間取りもあると思います。
例えば、リビング・ダイニング・キッチンだけにとどまらず
寝るところも、子供のスペースもみんないっしょの空間になった、
仕切り壁のない家も、“あり”でしょう。
特にリビングを設けず
ダイニングキッチンでリビングのようにくつろいだり、
ダイニングテーブルが、子供たちの勉強机代わりになったり、といった
DKが家での生活の中心となるようなプランも考えられます。
『食寝分離』が必ずしもよいとは限りませんし、
いまどきの、ワンルームマンションはキッチンも食べる場所も寝るところも
文字通り ひとつの部屋・空間で行っていますから
既成概念にとらわれる必要はなく
他にも、いろいろなプランが考えられます。
いつも、言うことなのですが、
どれが正解というのはありません。
ライフスタイルは、各ご家庭で千差万別!
どういう家に住みたいか...
どういうキッチンで料理をしたいか...
どういう雰囲気で、ご飯を食べたいか...
どういう場所でくつろぎたいか...
どういう風に家族みんなが顔をあわせて楽しく過ごしたいか...などなど、
ご家族のみなさんで話し合って考えていきましょう!
家づくり、そして、そこで生活するのは
みなさんが主役なのですから...☆
そして、その考え方や方向性を
私たちに、いろいろと伝えていただければ
それをもとに、様々なアイデアを盛り込んだプランを
ご提案いたします。
『LDK』について考えてみようと思います。
まずは、言葉の意味のおさらいです。
みなさんも、ご存知の通り
L : リビング・居間
D : ダイニング・食事室
K : キッチン・台所
です。
そして、よく耳にする『ダイニングキッチン』や
『nDK』・『nLDK』という言葉は
日本で生まれた和製英語です。
(n は、寝室や子供室の“個室の数”で数字が入ります。
3LDKでしたら、LDK+3つの部屋がある間取りですね。)
そして、具体的な話に入る前に、
LDKの簡単な歴史をお話しておきましょう。
従前の日本の住宅は、台所は土間で
茶の間のちゃぶ台で食事をし、
夜寝る時は、ちゃぶ台を片付けて、そこに布団を敷く...
といった生活が一般的でした。
1947年に、京都大学の西山卯三氏が『これからのすまい』
という著書の中で、『食寝分離』ということを提唱しました。
『食寝分離』とは、読んで字のごとく
「食事をするところ」と「寝るところ」を分けるということです。
その後、この『食寝分離』の考え方が
1955年に設立された日本住宅公団に引き継がれ
今日の『nDKプラン』が生まれました。
(このへんの詳しい話は、また別の機会にでも...)
こういった、歴史的な背景などもふまえて
これから、『LDK』について考えてみましょう。
まず、部屋のタイプとしては、一般的に
・LDK (リビング・ダイニング・キッチンが1室空間にある)
・K + LD (キッチンが独立した1室でリビングとダイニングがいっしょ)
・DK + L (リビングが独立した1室でキッチンとダイニングがいっしょ)
・K + D + L (各々が独立した部屋となっている)
といった、組合せ・タイプが考えられます。
リビングもダイニングもキッチンもいっしょの空間にある、
LDKタイプは、いわゆる対面キッチンとすることができ
料理をしながら、子供たちと会話をしたり、
小さいお子さんが危なくないように目を行き渡せることができ
主婦のみなさんが、料理や後片付けをする際、
孤独を感じるようなこともない...そういった空間とすることができます。
その反面、いつもキッチンをきれいにしておかないと
匂いの問題や汚れたものが見えて
リビングなどでくつろぐにしても何かしら落ち着かない、
或いは、急なお客様をここに通したりしにくいような
ことがあるでしょう。
他にも、生ゴミなどの処理方法も検討が必要です。
(ゴミ箱をどこに置くかなど...)
対面キッチンにおいては、
コンロ部分の前は、油煙や油はねの問題等があるので
完全にオープンにするより、その部分は壁があるほうがよいでしょう。
通常よく見かける上にあるレンジフードではなく
鍋やフライパンの手元で吸い込むタイプの換気扇もありますが
やはり、壁やそれに代わるものがあるほうがよいと思います。
完全にオープンなキッチンは
掃除をこまめにやるような方向きかもしれません。
写真は、コンロ部分の前を壁とした 対面キッチンです。
たまには、後片付けはあとまわしで
くつろいでから、やります...といった向きには、
LDKとしても、
完全にオープンとしたキッチンではなく、
必要に応じて、キッチンを仕切ることができるような
セミ・クローズドのタイプを検討してみるとよいでしょう。
セミ・クローズドはちょうど『LDK』と 『K + LD 』の中間のようなものです。
セミ・クローズドの一例。
必要に応じて扉を引けば、キッチンを隠せます。
(対面キッチンでも、セミ・クローズドは可能です。)
一人でじっくりと料理を作りたい方や
家事室といっしょにしたキッチンのような主婦の専用の部屋をお好みの方、
さらに、セミ・クローズドより もっと独立性を持たせたい場合などは
キッチンを1室独立とした K + LD タイプがよいでしょう。
これだと、リビングで嫌な匂いがする なんてことはなくなりますし
いつ、後片付けしようと気兼ねすることもないです。
家事いっさい、あるいはデスクでネットを楽しんだり
趣味を行う“主婦の部屋”とすることもできるかもしれません。
独立型キッチンの例。
アイロンかけ・ミシンで裁縫、PCでネットなどができる
家事デスクを設けています。
写真には写っていませんが、右側の家事デスクの前は
外が見える窓になっています。
つづいて、リビングを独立させた DK + L タイプは
例えば、リビングをホームシアターにするなど
食事をする行為と、リビングで行う行為を
完全にわけたい場合などに向くと思います。
(もちろん、ホームシアターをリビングとは別室に設ければよいのですが
面積的にもコスト的にも、そんなことできない場合もあります。)
ただ、家族の食事の時間帯が違う場合などは
顔をあわせて、話などしながら食事をするようなことができず
ひとりさみしく飯を食う...なんてことになるかもしれません。
そして、リビングもダイニングもキッチンも別々の K + D + L タイプ。
日本では、あまり一般的ではないと思いますが、
いわゆる『大邸宅』のようなイメージ、
例えば、お手伝いさんを雇って料理を作ってもらうような向きでしょうか。
私はまだ、このK + D + L それぞれの部屋が独立したプランを
依頼されたことがありません。
また、こういったタイプにとらわれない、
自由な発想の間取りもあると思います。
例えば、リビング・ダイニング・キッチンだけにとどまらず
寝るところも、子供のスペースもみんないっしょの空間になった、
仕切り壁のない家も、“あり”でしょう。
特にリビングを設けず
ダイニングキッチンでリビングのようにくつろいだり、
ダイニングテーブルが、子供たちの勉強机代わりになったり、といった
DKが家での生活の中心となるようなプランも考えられます。
『食寝分離』が必ずしもよいとは限りませんし、
いまどきの、ワンルームマンションはキッチンも食べる場所も寝るところも
文字通り ひとつの部屋・空間で行っていますから
既成概念にとらわれる必要はなく
他にも、いろいろなプランが考えられます。
いつも、言うことなのですが、
どれが正解というのはありません。
ライフスタイルは、各ご家庭で千差万別!
どういう家に住みたいか...
どういうキッチンで料理をしたいか...
どういう雰囲気で、ご飯を食べたいか...
どういう場所でくつろぎたいか...
どういう風に家族みんなが顔をあわせて楽しく過ごしたいか...などなど、
ご家族のみなさんで話し合って考えていきましょう!
家づくり、そして、そこで生活するのは
みなさんが主役なのですから...☆
そして、その考え方や方向性を
私たちに、いろいろと伝えていただければ
それをもとに、様々なアイデアを盛り込んだプランを
ご提案いたします。
Posted by ryosuken at 17:33│Comments(4)
│♪ 家をつくるなら...
この記事へのコメント
はじめまして。
足跡から来ました。
面白い内容で熟読しましたよ♪
これからも見に来ますので
よろしくお願いします。
足跡から来ました。
面白い内容で熟読しましたよ♪
これからも見に来ますので
よろしくお願いします。
Posted by takeyan at 2009年05月30日 08:30
takeyanさん
blogを読んでいただき
ありがとうございます ☆
こちらのほうこそ、
これからもよろしくお願いします。
blogを読んでいただき
ありがとうございます ☆
こちらのほうこそ、
これからもよろしくお願いします。
Posted by ryosuken at 2009年05月30日 12:06
はじめまして
足あとから伺いました♪
FROMOと申します。
わたしも以前建築、インテリアの仕事をしていたので とても 興味深く読ませていただきました。
今は もう少しひろいというか 離れているというか・・・
ハンドメイドのコスメを作りながら
ライフスタイルを提案できたらなー
とお仕事をしています
また、お伺いさせていただきますね~
足あとから伺いました♪
FROMOと申します。
わたしも以前建築、インテリアの仕事をしていたので とても 興味深く読ませていただきました。
今は もう少しひろいというか 離れているというか・・・
ハンドメイドのコスメを作りながら
ライフスタイルを提案できたらなー
とお仕事をしています
また、お伺いさせていただきますね~
Posted by FROMO at 2009年05月30日 17:13
FROMOさん
コメント、どうもありがとうございます。
ハンドメイドのコスメによるライフスタイルの提案...ステキですね。
これからもよろしくお願いします。☆
コメント、どうもありがとうございます。
ハンドメイドのコスメによるライフスタイルの提案...ステキですね。
これからもよろしくお願いします。☆
Posted by ryosuken at 2009年05月30日 17:49